公開日 2024年08月05日
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湯本豪一記念日本妖怪博物館(三次もののけミュージアム)
伏見 由希さん
興味を追究して働く充実した日々
私は、日本初の「妖怪」を専門とする市立博物館の湯本豪一記念日本妖怪博物館(三次もののけミュージアム)で、学芸員として働いています。絵巻や錦絵、工芸品、衣類、玩具、ミイラなど約5,000点もの妖怪に関する資料を収蔵する博物館です。在学時の博物館見学研修旅行で三次の妖怪譚に出合ったのがきっかけで、広島県三次市の学芸員に応募。採用され、2019年4月に開館するまでの準備期間から運営に携わり、6年になります。
主な仕事内容は、企画展・常設展の計画、調査研究、展示造作など。そのほかにも、広報活動からイベントや出前授業の講師、事務作業まで忙しい毎日を送っています。なかでも特に力を入れているのが、三次が舞台の江戸時代の妖怪物語《稲生物怪録(いのうもののけろく)》の調査研究です。最新の研究成果や魅力を全国に届けられるようがんばっています。いつか「《稲生物怪録》のことならこの人!」と結びつけてもらえるような学芸員になりたいです。
授業も授業外も積極的に学んだ学生生活
文化財について専門的に学ぶために徳島文理大学に入学し、学芸員資格の取得に向けて取り組みました。博物館実習の授業では、資料の取り扱いから博物館での研修まで専門分野を実践的に学ぶことができ、今の仕事に活かされています。
授業以外にも寺院での資料調査や博物館見学研修旅行などに積極的に参加しました。特に思い出深いのが「学生の企画・運営による企画展」というプロジェクトです。これもまた今の仕事につながる良い経験となっています。2005年度に石の民俗資料館(現高松市立)で開催された企画展「石からの挑戦状」は、当時学生が企画した初の展覧会でした。資料調査、解説文章の作成、資料借用、パネル作成、展示解説など、展覧会におけるさまざまな業務を経験。ゼロからスタートした取組だったので大変なことも多々ありましたが、開催初日を迎えることができたあの時の大きな達成感は、今思い出しても誇らしく、自身が大きく成長できたように思います。
文化財学科では、文化財についてどこよりも充実した内容を、深く丁寧に学ぶことができます。大学がもつ広域なネットワークにより、授業以外でも、さまざまな調査や研修に参加することができるのも大きな魅力。志を同じくした友とともに学び、将来の糧になる体験ができる場がここにあります!